就職活動も本格化してきましたね。
新社会人目指して、卒業見込みの学生さん達が真新しいリクルートスーツに身をつつみ今日もどこかに面接や説明に参加しているのかと胸をはせています。

その中にもきっと印刷業界を目指して、就職活動をしている方もいるのではないでしょうか。

業界研究を私よりもきっとしているだろう学生さんには不要かと思いますが、私が感じている業界のアレコレを今回は書いていきたいと思います。

印刷業界はぶっちゃけどうなの?

目指しているのに、その疑問こそどうなの?と思いますよね(笑)

はっきり言いますと…見通しは暗いです。

時代の流れもあり、ペーパーレス化になり、昨今では印刷物を極力なくそうという企業も増えています。

通勤中、電車の中を見回して見ると昔は本や新聞を読んでいる人が多かったですが、今やスマホを見ている人が多くなりました。

ニュースや情報はネットで簡単に探したり、ダウンロードして読むようになり、紙媒体に印刷してあるものから情報を得ること自体が減っていっているのを感じます。

私の勤めている会社の上司は、「印刷は絶対になくならない」と言っていました。その言葉に、続けていった言葉は「だけど、絶対数は確実に減る」と。

私は零細企業の印刷会社に勤めていますが、得意先の零細企業が倒産・廃業していっていたのを見聞きしていたのでその言葉は重く感じました。

印刷会社がペーパーレスを推奨?!矛盾の現実・・・

業務をしていると「見積もりをお願いします」という連絡をメールでやり取りします。

見積書を作成して、FAXで流したり、持ち込んだりするのが主流でしたが、今ではメールでPDFを添付して送信します。

その方が綺麗ですし、何より紙がでないのでコストダウンにつながるのです。

営業なら、外出先でもタブレットやスマホがあれば随時確認ができます。また、パスワードなどをかけたりなど機密性を高めることもできます。

寧ろ紙媒体で見積書を送ろうとすると、紙と印刷代(プリント代)がもったいないからやめてほしいといわれることがあります(笑)

また、昔からではありますが、大手コピー機メーカーもコピー複合機やプロダクションプリンターにPDF化する機能(スキャンなど)とソフトをつけて販売し、それにともなったサービスを投入することで売り上げを上げています。

余談ではありますが、プリンタのメンテナンスをしてもらった際に、サインをするのですが、昔は紙にボールペンで名前を記述していました。

その際に、保守点検内容をプリントアウトして記録・控えとしてもらっていたのですが…今はペンタブレットで記入して、その情報をノートパソコンに送り、記録と控えは出さなくなりました

印刷はネット・オンデマンド時代!低価格・低コスト・小ロット…

以前の記事でも書かせていただきましたが、ネット印刷が台頭して「印刷の注文はネットで」がもはや当たり前になってきました。印刷の注文は、個人・企業の注文もそうなりつつあります。

印刷会社には古いしがらみがあり、他の顧客をとられないように約束事が決められたりするのですが、それでは生き残っていけないと印刷会社がネット印刷会社を立ち上げたりして、こっそりお客を集めていたりします。

ネット印刷の注文が多い会社が、印刷会社だという何ともおかしな現象も起きています(笑)

印刷会社としては、うちでは儲けにならないし、この小ロットや納期に対応できない(設備や技術的な問題も含めて)から外注(ネット印刷)に頼んでしまおうというわけです。

印刷の注文数が減っていき、部数も減ったことから、これからは「オンデマンド印刷だ!」と業界では賑わってたりしますが…そのメーカーは印刷以外の分野で頑張ろうとしていたりします(笑)

大手PODメーカーも業績不調、明暗を分けたのは?

大手複合機メーカーのリコーが2018年3月の決算で6年ぶりの赤字決算となりました。北米でのペーパーレス化が進んだためと分析していますが、本社を銀座本社を大田区に移転したり、リストラを行い、ゴルフ大会のスポンサーを降りたりと暗いニュースが目立ちました。(出典:ビジネスジャーナル

富士ゼロックスもコピー機メーカーとしては有名ですが、買収騒動で現在は揉めています(笑)

しかし、フィルム事業部は衰退したとはいえ、もともとカメラ分野での技術があり、医療分野の業績が好調と明るい兆しを感じます。

大手DNPは安定した業績で、流石といいたいところですが実際に業績や黒字を出している分野は印刷ではなく、タッチパネルやスクリーンなどの紙媒体ではありません。

印刷会社が生き残るためには印刷以外の商売が必要ということでしょう。

もし、そのような印刷会社であれば未来は明るいかも・・・しれません。